この秋、マレーシアのマラッカに10日間ほど滞在して、一人旅を楽しみました。
昔から異国情緒あふれるモスクが好きな私は、今回もマラッカで散々モスクのはしごを。
世界三大夕日とのコラボが美しいと有名な水上モスクへは、滞在中3回も通いました。
その中で、「マラッカ観光に訪れたものの時間がない!でもモスクの礼拝堂は観光したい!」という方のために、ここをご紹介。
現地のガイドさんが無料で案内してくれるおすすめのモスクを、今回の旅行記ブログに綴っておこうと思います。
マラッカで観光できるモスクは?
世界遺産マラッカにはムスリムの方もたくさん住んでいるので、小さい街ながらもモスクが沢山あります。
けれど、本来モスクは神聖なお祈りの場所。
礼拝堂の中まで観光客が堂々と入れるモスクは、かなり少ないです。
そんな中で、服装に規定はあるものの、礼拝堂へ入れるモスクがマラッカにもありました。
しかも、マラッカの中心地、ジョンカーストリートの近くに。
日帰りで訪れる観光客も少なくないマラッカ。
街の中心に礼拝堂まで入れるモスクがあれば、ちょっとした時間で観光できるので、立ち寄ってみたくなりませんか?
そのモスクの名称は、カンポン・クリン・モスク(Kampung Kling Mosque)。
マラッカの地図では、マレー語でMasjid Kampung Klingと書かれています。
礼拝堂も観光できる身近なモスクは?
このカンポン・クリン・モスク(Kampung Kling Mosque)は、ジョンカーストリートから枝分かれしている路地に入ると、すぐに見えてきます。
特徴的な緑色の屋根と白亜の塔が、カンポン・クリン・モスクの目印し。
よく、写真で見るドーム型や玉ねぎ型の屋根とは違っていて、最初はこれがモスクだとは思いませんでした。
門の外から中を覗くと、内側はとても静かで入りにくい・・・。
けれど、ほとんどのモスクでは庭に入るのは問題ないので、まずはそーっと入ってみました。
すると、ありましたよ!観光客用のヒジャブが。
お土産グッズまである・・・。
ということは、完全に観光客を受け入れてますね。
カンポン・クリン・モスクでは、このヒジャブと、洋服にあたるアバヤを入り口で借りることができました。
ちょうど、受け付けをしてくれる人が手薄だったので、一人で勝手にモゾモゾと着ていると・・・
カンポン・クリン・モスクで案内をしているという男性ガイドさんが現れて、手伝ってくれました。
ツアーガイドと一緒ならどこでもOK?
突然現れたこの男性は、実はカンポン・クリン・モスクでボランティアガイドをしている方。
カンポン・クリン・モスクのすぐ裏手に住んでいるそうで、今は火曜日から木曜日にここで無料のガイドをしていらっしゃるそうです。
たまたま私はその日にあたり、とても幸運でした。
ただ、英語でのガイドになるので、まったく英語が分からない場合はボディーランゲージで頑張ってください。
かろうじて、日常会話ができる程度の私のレベルで、おおまかな説明の内容がわかりました。
それも、発音がとてもいいので、聞き取りやすかったです。
そして、このガイドさんと一緒なら、なんと礼拝堂の奥深くまで招き入れていただけるんです。
本来、ほとんどのモスクでは、中央の広々としたエリアはムスリム信者の方で、しかも男性のみが入れる場所。
カンポン・クリン・モスクでも、ムスリム女性が礼拝するエリアは、この中央エリアの隣りに薄い仕切りで分けてありました。
それなのに、私入っていいの~?
でも、入ってみたいよね~・・・
と、躊躇しながらも、ガイドさんが案内してくださるところを、ありがたく着いていきました。
モスクには、礼拝の時間以外でも、誰かしらがお祈りをしています。
この日も、数人が熱心に祈っていました。
その邪魔をしないように、カンポン・クリン・モスクの細部を観光させていただけます。
カンポンクリンモスクの秘話
ガイドさんの説明によると、カンポン・クリン・モスクはすでに250年以上が経過しているとのこと。
ほかのカンポン・クリン・モスクの紹介説明でも、1748年に建築されたとあるので、今も現役で活躍している歴史あるモスクだと言えます。
ちなみに、あちこちのトラベル情報サイトでカンポン・クリン・モスクがマレーシア最古のモスクだと紹介されていますが、それは間違いでした。
マレーシア最古のモスクは、また別の旅行記ブログでご紹介しますが、ここからちょっと離れた場所にあるカンポン・フル・モスクKampung Hulu Mosqueです(←徒歩で行ける)。
この情報は、マラッカで知り合った現地のホテルオーナーさんからも聞いた話なので、間違いないです。
少ない観光時間でせっかく訪れたモスクが、「実はマレーシア最古ではなかった・・・」とならないように、気を付けてくださいね。
さてさて、平日の昼間なのでほかに観光客はおらず、ガイドさんがとても丁寧に案内を続けてくれます。
礼拝堂の中
中央の天井に見える豪華で重厚なシャンデリアは、すぐに想像がつきますがベネチアンガラスです。
さすが、どこにいってもベネチアンガラスのシャンデリアは存在感がありますね。
しかもここでは、カンポン・クリン・モスクの歴史をずっしりと背負っているかのように、アンティークな雰囲気が漂っています。
その前方に見える5つのアーチは、イスラム教徒信者にとっては、とても重要な意味を持っているとか。
イスラム教徒に義務付けられている5つの教えや、1日5回のお祈りなど、「5」という数字は特別なようです。
さらにその前方に見える、いきなり現代的なデジタル時計は1日5回のお祈りの時刻を示していて、面白いことに右から読んでいきます。
そういえば、コーランの言語になるアラビア語は右から読みますね。
築250年以上にもなる建物ではありますが、まだまだオリジナルの部分が数多く残っていて、壊れたタイルなどはその部分だけを修理し、保存してきているそうです。
たしかに、特にタイルはすぐに割れそう。
けれど、とても美しいですね。
身体を清める聖なる泉
本来、ここはムスリムの男性が身を清めるための泉なので、女性はおろか観光客が入るのはタブー。
けれど、運のよいことに今回はガイドさんが一緒だったので、堂々と入ることができました。
ムスリム女性が身を清める場所は、どのモスクも男性とは別の場所に設けられています。
こうして聞くと、何かと女性蔑視のように聞こえますね。
でも実は、ムスリムの女性はとても大切にされているんです。
こんな話も、後日ご紹介していきたいと思います。
魂が眠る墓
そして、聖なる泉の後ろには、魂が静かに眠るお墓がありました。
驚いたのは、この狭いエリアに土葬されているということ。
どのご遺体も、全員がメッカの方角を向いて埋葬されているそうです。
ボランティアガイドさんの活動時間
私が観光したときには火曜日から木曜日までの日中と伺いましたが、少し前は違う曜日で活動されていたそうです。
ですので、今後も必ず同じ曜日にいらっしゃるとは限らないと思います。
ただ、ローブなどを着用すれば入館はOKですので、いつでも行ってみてください。
1日5回の礼拝時間は入れない可能性があるので、そこはご注意を。
また、今回お会いしたボランティアガイドさん以外に、受け付けには女性のスタッフもいらっしゃいました。
ガイドはしてくれないまでも、簡単な説明はしていただけると思います。
カンポン・クリン・モスクアクセス情報
入館時間
随時可
※予約不要。
※ただし、1日5回の礼拝時間にはご注意を。
※礼拝時間は太陽の位置に基づくので、その日によって少しずつ変わります。
入館料
無料
※ガイドさんは寄付も断っていらっしゃいました。
その分しっかりと話を聞いて、お礼の気持ちを伝えるようにしたいものです。
※受け付けに観光客用のノートがあって、名前を残すと喜ばれます。
観光所要時間
約30分
※今回の私はたっぷり時間があったので、約1時間くらいお話を伺えました。
アクセス
マラッカ観光編集後記
世界遺産マラッカには観光したくなるスポットがありすぎて、正直1泊や2泊ほどの旅行だと時間が足りません。
ですから、短い観光時間で、ガイドさんに説明してもらいながらサクッと見て回れるモスクが街中にあるのは、とっても便利。
モスクに興味があれば、ぜひカンポン・クリン・モスクも観光してみてくださいね。